与野学院日本語学校は、1988年創立の歴史ある日本語学校です。最寄り駅はJR京浜東北線のさいたま新都心駅。駅から徒歩7分と、アクセスの良さも魅力です。
学生と教職員、双方の幸せの実現を謳っており、教職員の働きやすい環境づくりや負担軽減にも取り組んでいるという同校。日本語教師未経験者へのサポート体制も万全です。今回は校長の谷先生、教務主任の大知里先生に、学校の雰囲気や、仕事のやりがい等についてお話をうかがいました。

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(左)谷 一郎校長
2000年与野学院日本語学校に入職、講師、事務、募集、生活指導等を担当し、08年4月より校長。学校の業務のほか、(一社)日本語学校ネットワーク副代表理事、(一財)日本語教育振興協会理事、さいたま市日本語教育コーディネーターも務める。
(右)教務主任 大知里 弘美先生
教務主任として、長年日本語教師の採用、新人教師の育成に携わる。
学生の雰囲気と学校の特色
――現在の学生さんの構成について教えてください。
谷校長先生:学生は約280人で、東南アジアを中心にいろんな国から来ています。一番多いのはベトナムからで、4割程度。他にはミャンマー、インドネシア、フィリピン、タイ、ロシアなどの出身の学生がいます。ロシア以外の欧米からの学生も一定数在籍しています。教職員は約30人です。
――他校と比べて、貴校の強みや注力していることについて教えてください。
谷校長先生:一番は、日本でまだ少ない認定校(認定日本語教育機関)だというところですね。カリキュラム面では、日本語そのものを伸ばしたいとか、日本の文化や習慣について理解を深めたいといった人向けの内容になっています。ただ、結果としては、だいたい8割ぐらいが就職・進学しています。課外活動も豊富に取り入れておりますので、勉強やアルバイト以外の日本の生活も楽しめます。
採用の進みかた
――採用はどのような手順で進みますか。
谷校長先生:第一段階は書類審査です。その後は面接と、20分程度の模擬授業を行います。
――教職員を採用する際に重視するポイントを教えていただけますか。
谷校長先生:まずはコミュニケーション能力です。対学生という意味でもそうですし、やはり教職員間でのコミュニケーションがしっかり取れそうかどうかというところがまず一つ。また、未経験の方でいうと、ちゃんと習ったことを意識した教案が作れて、そして教案通りに授業を実践しようという努力が見られるかどうかを見ます。完璧でなくてもいいので、そういう姿勢が必要かなと思います。
模擬授業では、もし内心慌てていたとしても、外からは平常心に見えるとか、うまく自分の心の混乱を収められる方がよいですね。また適性として、声が通りにくいとか小さい人は改善しにくいので、少し難しいかもしれません。
大知里先生:あとは姿勢・態度ですね。未経験の方の場合、模擬授業が完璧かどうかを見たいのではなく、授業から垣間見える人間性を見たいんです。大きな声ではっきり、堂々とできるかなど基本的なことのほかに、授業が終わった後言い訳ばかりしていないかとかも大切ですね。素直さがあるか、勉強熱心かどうか、授業に臨む姿勢を見ればなんとなくわかります。
――初心者の方もよく面接に来られますか。
大知里先生:逆に初心者のほうが多く、当校教員のほとんどは未経験からのスタートです。非常勤から常勤になるケースも多いです。
採用が決まったら、実際に授業が始まる前に事前研修と授業見学を行います。
例えば10月生のスタートに合わせて入るとなると、8月あたりから3ヶ月かけて研修をした上で、10月からすぐ現場に入ってもらう感じですね。もちろん、事前研修中もお給料はきちんとお支払いします。10月以降の3ヶ月間は教案を出してもらい、毎回教案をチェックします。その中で問題があれば改善するまでフィードバックし、3ヶ月かけて独り立ちしてもらうような体制にしています。
基本的に授業は一人でやってもらいますが、慣れるまでは研修担当者がマンツーマンでついて、教案と授業の様子を見ながらサポートします。
学校生活について
――職員室の雰囲気はいかがですか。
大知里先生:設備的には決して広い職員室というわけではないですが、雰囲気的には個人のスペースもしっかりありつつ、みんなと交流できるようなところもあります。
谷校長先生:和気あいあいとしているイメージですね。声をかけにくいような雰囲気はないと思います。
大知里先生:そうですね。社会人としての最低限のルールさえ守ってもらえれば。「新参者だから意見が言えない」みたいなことはもちろんないですし、風通しはいいと思います。
――授業以外の業務には、どういったものがありますか?
大知里先生:非常勤の先生は、授業担当として基本的に授業に専念してもらいます。授業と、授業後の教室整備と、引き継ぎを書くぐらいで、どれも契約拘束時間内に終わる程度の業務です。
谷校長先生:非常勤の先生が担任を持つ場合は手当をつけて、その範囲内で業務を追加してもらっています。
大知里先生:担任になると担任手当がつき、その範囲内で宿題の採点や、進路指導が入ってきます。担任は常勤の先生がほぼ受け持っていますが、非常勤の先生でもご希望があればお任せすることもあります。
――クラスはいくつありますか?
大知里先生:一番多いときで18クラスです。初級から上級まであり、新人講師のうちは必ず初級から担当してもらいます。学生がどんな言葉から習っていくか、どう学んで上達していくかを知ってもらい、経験を積んだ上で中級・上級に上がります。すべてのレベルを経験した後は、どのレベルを教えたいか希望を取りながら担当を決めていきます。
――イベントもたくさんやっているということですが、例えばどんなイベントがありますか。
大知里先生:季節ごとのイベントでは、春はお花見したり、兜や鯉のぼりを作ったり、授業の中で七夕の短冊を書いて飾ったりしています。先日は、希望者を募って東武動物公園に遠足に行ったり、校内のカラオケ大会を開いてみんなで日本語の歌を歌って審査したりもしました。夏休みに泊まりがけで富士山に登ったりもしています。秋から冬、春はイベントが多く、ハロウィン、カルタ大会、スキー、卒業式など様々なイベントをしています。
谷先生:多国籍なので、みんなでそれぞれ自分の国の料理を作ってお互いに食べて楽しむようなイベントもあります。あと、定番の茶道や浴衣体験は定期的に行っています。

この仕事のやりがいについて
――このお仕事のやりがいを教えていただけますか。
大知里先生:やはり、日本で日本人の学生に教えるのとは、吸収するスピードが違いますよね。こちらが教えたことをスポンジのように相手が吸収してくれることって、おそらく他の仕事ではない経験だと思います。教え方次第で学生もぐんと上達するので、そういうやりがいというか面白さはこの仕事ならではかなと思いますね。
あとは、経験が長くなるにつれ、いくらでも仕事の仕方を工夫できるところですかね。日々試行錯誤しながら、自分の裁量でやり方をどんどん変えることができるというのも、一般企業で働くのとは違うやりがいなのかもしれません。
――逆に、大変なことはありますか?
大知里先生:さっきお話した「いくらでも工夫できる」ということは、裏を返せば終わりがないということですよね。長年やってきたことが通用しなかったり、前うまくいったことがうまくいかないということは日常茶飯事ですから、日々努力と勉強が必要です。好きな人にとってはそれがやりがいですけど、その連続は大変なことでもあります。
――最後に、求職者の方にアピールがありましたら、お願いします。
谷先生:本校では、学生のみならず教職員も含めてみんなの幸せを追求したい、というポリシーに基づいて、学校運営をしています。学生の幸せを追求するあまり先生たちに大きな負担がのしかかってしまうケースがよくありますが、それでは持続可能な学校運営ができません。当校は教職員の働きやすさ、ライフワークバランスも同じぐらい大切にしています。
大知里先生:真面目で熱心な学生を集め、先生たちが準備したことが無駄にならないよう、楽しんで授業ができる環境を整えるのも、学校の役目ですね。学生の数だけ揃えればいいという考えだと、中には意欲の高くない学生もいて、先生が疲弊してしまうので。
谷先生:成績がいい子だけかき集めているという意味ではなく、教えていてやりがいが感じられるような熱心さがあるということなんですけど。ありがたいことに、当校にはそんな勉強好きな学生たちが来てくれています。そういう意味では、求職者の方にも安心して選んでいただける学校だと思います。
本校の情報に触れたのも何かのご縁だと思いますので、ぜひ一度応募をご検討ください。
――ありがとうございました。
