双葉外語学校:学生の成長を間近で感じられるーー多様なキャリア・国籍の学生が学ぶ日本語学校

京成線千葉中央駅から徒歩1分。1960年に設立された歴史ある双葉外語学校では、約400名の学生が日々日本語を学んでいます。ここで働く50名の教職員の中には、非常勤からスタートし常勤にキャリアアップした方も多いそう。子育て中の教職員も多く、柔軟な働き方に対応しています。今回お話を伺った小川早苗校長先生も、一般企業で5年間社会人経験を積んだ後、双葉外語学校で非常勤講師として働き始めたお一人。採用で重視するポイントや、未経験の方へのサポート体制などについてお話を伺いました。

取材した方のプロフィール

双葉外語学校
小川早苗校長先生

一般企業で5年間勤務したのち、2000年より双葉外語学校に非常勤講師として勤務。01年に常勤講師となり、21年、校長に就任。

目次

留学生だけでなく生活者に教える経験ができる

――初めに、貴校の特色について教えていただけますでしょうか。

 まず、他校さんよりも留学生以外の方を受け入れていることが特徴です。地域で生活をしている日本語学習者の方も学生として迎えているので、そういう方に教える経験ができるのは本校ならではかもしれません。
 また、学生の国籍が偏らないように国ごとに一定の割合で募集をしているのも特色の一つかと思います。2011年の震災前までは韓国の学生が半分以上を占めていたのですが、今では中国、ネパール、ベトナム、ミャンマー、フランスと多様な国籍の学生が在籍しています。したがって漢字圏、非漢字圏両方の学生に教えられる経験を積んでもらえます。

学生と相互にコミュニケーションをとる力を重視

――教職員を募集するにあたって、重視されていることは何ですか。

 いくつかありますが、一つは授業を明るくコントロールできるかという点ですね。学生をしっかり引っ張って授業を進められることが大切です。
 二つ目に、授業に臨むための準備をちゃんとしているかどうかを重視します。採用試験の模擬授業では、15分という短い時間ではありますが、構成をきちんと組み立ててきているかを学生役の教職員の反応を見ながらチェックします。準備をしっかりしてきたからといって、学生のことを見ないで自分の用意してきたことを淡々とするようなやり方ですと難しいかなと思います。当校では学生と相互にコミュニケーションをとりながら授業を進めることが大切だと考えているので。
 三つ目は、成長しようとする姿勢があるかどうかです。模擬授業が終わった後には少し振り返りの時間を取るのですが、失敗してしまったとしても、失敗を認めた上で改善策を提示するなど、成長しようとしている方は評価できます。逆に、改善する姿勢があまり見えないとマイナスポイントかなと思います。

――では、これらの点を満たしていれば未経験でも問題ないでしょうか。

 まったく問題ありません。まず非常勤から始めていただくことにはなりますが、希望すれば半年~一年程度で準常勤に、さらに常勤にキャリアアップもしていただけます。実際にそういった教職員もたくさんおります。私も非常勤からスタートし、25年経った今では校長を務めています。
 未経験からスタートする先生は、まず採⽤直後に四⽇間の研修を受けていただきます。研修では教科書の扱い⽅や⽂型の指導ポイントなど、基本的なことから丁寧に説明します。常勤講師の授業を⾒学し、慣れてきたところで実際に授業に入っていただくのですが、その際も私たちが授業の様子を⾒せていただいてフィードバックや授業プランの相談サポートを行います。ベテランの教職員も多いので、分からないことや不安なことは何でも相談してほしいですね。

――長く働いているベテランの方が多いということは、それだけ職場の環境が良いということなのでしょうね。働き方はライフスタイルに合わせて柔軟に対応していただけるのでしょうか。

 そうですね。現在も子育て中の教職員で、8:50~12:50の午前中4時間だけ働くという方も多いです。お子さんが小学校高学年や中学生になると「1日フルで働くのは難しいけれど、常勤より拘束時間が短い準常勤として働きたい」などの要望にもお応えしています。中には非常勤でも朝から17:15まで1日通して働きたいという方もいらっしゃいますので、そういった場合には午前と午後の授業を両方受け持っていただくことも可能です。

――授業以外にはどういった業務がありますか。

 授業が終わった後にミニテストの採点などはありますが、なるべく授業内で終わらせるようにしていますので、残り作業は少ないです。定期テストである「アチーブメントテスト」の採点は1クラス1時間ほどかかってしまうのですが、それにかかる時間には手当をつけております。非常勤の先生には授業をメインに担当してもらうので、学生指導や進路指導はありません。ベテランの先生になると非常勤でもクラス担任を持ってもらうことがありますが、その場合にも担任手当をつけるようにしています。

学生の成長が見られることが何よりのやりがい

――では次に、このお仕事のやりがいと大変なことについて教えていただけますか。

 やりがいとしては、やはり学生の成長を間近で感じられることが大きいかなと思っています。日本に来た頃は何もできなかった学生が、自分の気持ちを言い表してコミュニケーションができるようになっていく様子を見ることができるのは一番のやりがいですね。どうしてあげたら学生が成長するのか、考えながら工夫していく面白さがあります。自分がやったことが答えになって返ってくるところは、他の仕事ではなかなか味わえない醍醐味だと思いますね。
 大変なところは、やはりどうしても言葉や文化の違いで共通理解ができなかったり気持ちが通じ合えない時があることですかね。中には初めて親元を離れて一人暮らしをする学生もいるのですが、アルバイトと学校を両立することが難しく、学業がおろそかになってしまうケースもあります。そういう学生に対して根気強く指導をする中で、時には避けられてしまうこともあるんですけれども、無事に進学や就職をした後に「あの時、厳しくしてもらってよかったです」と言ってもらえると、本当によかったなと思います。そういった学生のサポートをするのも仕事の一つではありますが、本当に負担になるところは教務とチームスタッフで請け負っています。また、そういった大変なことを経験しても余りあるやりがいを得られるのがこの仕事だと思っています。

――皆さんがやりがいをもって働いていらっしゃるのですね。それでは最後に、応募を検討している方に一言お願いいたします。

 養成講座を受けても日本語教師になる事を躊躇されている方が結構いらっしゃるかなと思うんです。でもせっかく資格を取ったのにもったいないですよね。そういう方は、まず一歩踏み出してもらえれば新しい世界が見られると思います。不安なことも大変なこともあるでしょうが、当校を選んでいただければ全力でサポートします。思い切って飛び込んでみてください。私たちも皆さんと一緒に成長していけたらいいなと考えています。

――ありがとうございました。

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