ジャパンオンラインスクール:オンライン日本語教育のパイオニアが語る、日本語教師に必要な「成長意欲」

 まだオンラインスクールが一般的でなかった2004年、いち早くその可能性に着目し、創業したジャパンオンラインスクール(JOS)。世界50か国以上のビジネスパーソンを対象に、質の高いマンツーマンレッスンを提供してきました。
今回、創業者の小池慶さんにお話をうかがい、創業からの歩みやオンラインならではの強み、求める講師像などについて、掘り下げていきます。「日本語教師として、もっと成長したい」「自分のスキルを世界で活かしたい」と考える方は、ぜひご一読を。

取材した方のプロフィール

有限会社ジャパンオンラインスクール
小池 慶 代表

2000年明治学院大学国際学部日本文化専攻卒業。大学時代はバックパッカーとして世界中を旅行。
一般企業を経て、04年に世界初のオンライン日本語学校、ジャパンオンラインスクールを創業。主にビジネスパーソン向け日本語教育に携わる。

目次

ZoomもSkypeもない時代からの挑戦

――2004年創業とのこと。まだオンラインスクールのようなシステムが普及していない時代だったかと思いますが、どのような経緯で創業されたのでしょうか?

 きっかけは大きく2つあります。1つは、私自身が大学で日本文化を専攻しており、日本の良いところを世界に発信するような仕事に携わりたいという思いをずっと持っていたことです。
 もう1つは、当時、身近な友人がオンラインの英会話スクールをベンチャーで立ち上げたことです。友人に「この逆バージョンを作ったら、世界初のオンライン日本語学校になるんじゃない?」と言われたんですが、その時は正直、ピンと来なくて。でも徐々に「自分も起業してみたい」という思いが強くなり、思い切ってチャレンジすることにしました。

――まだ高速インターネットも普及しきっていない時代ですよね。ご苦労も多かったのではないでしょうか。

 おっしゃる通りです。Zoomはもちろんありませんでしたし、Skypeすら知られていない時でしたから、Windows LiveメッセンジャーやMSNメッセンジャーを使っていました。ブロードバンドが普及する前ですから、今では考えられない時代でしたね。
 当然、講師も生徒もゼロの状態からのスタートです。採用と生徒募集を同時に進め、個人のお客様からお申し込みがあれば、条件に合う先生とのレッスンをセッティングするという作業を1件1件地道に重ねていました。

――まさに手探りでのスタートだったのですね。その後、東日本震災やコロナ禍など、社会を揺るがす出来事もありましたが、オンラインという形態の強みを感じることはありましたか?

 そうですね。当スクールは創業以来ずっとオンラインですから、社会情勢による直接的なインパクトはまったくありませんでした。
 通勤時間もゼロなので、台風や雪で電車が止まっても、講師は自宅から何の問題もなくレッスンができますし、夏の酷暑の中を移動する必要もありません。そこはオンラインで働く大きなメリットだと、講師の皆さんからも喜ばれています。引っ越しや転勤をしても続けられる、という理由で選ぶ方も多いです。

――確かに、社会の変化に左右されず、安定して教育を届けられるというのは、受講者にとっても講師にとっても大きな魅力ですね。

受講者は世界中のビジネスパーソン

――御社の受講者は、どのような方が多いのでしょうか?

 当スクールでは、ある時期からユーザー層を「ビジネスパーソン」に特化させました。留学生が通ういわゆる一般的な日本語学校とはカラーが異なると思います。たとえば、学生の生活面の指導などは一切なく、クライアントの日本語能力向上という点にフォーカスできます。
 現在、受講者の100%がビジネスパーソンで、そのうち95%に企業研修としてご利用いただいています。クライアントはIT、コンサル、金融などのグローバル企業や大手企業が中心です。受講者のレベルはゼロビギナーから上級者まで、本当に様々です。
 レッスンスタイルについては、創業当初は完全なオーダーメイドで対応していたのですが、現在は汎用のカリキュラムをベースに、各講師が受講者に合わせてアレンジを加えています。

――完全オーダーメイドでなくなったのは、何か理由があるのですか?

 受講者が増えるにつれて、完全オーダーメイドでは講師の準備の負担が大きくなりすぎてしまうという問題がありました。せっかく講師が時間をかけて準備しても、受講者の都合でレッスンが続かなくなってしまうようなケースもありますからね。
 レベル別・学習目的別の汎用カリキュラムをあらかじめ用意することで、講師が毎回ゼロから準備する必要がなくなりました。そのうえで、個々の受講者に応じたアレンジを加えることで、講師の負担軽減と高い学習効果と満足度を両立できるようにしました。

自由度の高い働き方と、スキルアップの両方を実現

――どのような勤務体制になっているか教えてください。

 レッスン対応可能なスケジュールを予約システムに登録していただきます。そして、受講者から予約が入ったら、その時間にスタンバイして、レッスンを実施して頂きます。受講者が希望する講師を選んで予約するシステムですので、受講者からの評価がリピート率に直結します。
 業務委託ですので、講師によって週に3〜4レッスンだけという方もいれば、月に100レッスン以上受け持つ方もいます。子育て中の方や、他の仕事と掛け持ちされている方もたくさんいらっしゃいますよ。ご自身のライフスタイルに合わせて働けるのが、この仕事の魅力の一つだと思います。

――未経験からでも挑戦できるのでしょうか?

 はい。元々は、実務経験のある方を募集要件に掲げていたんですけども、「日本語教師の資格は持っているけれど実務経験がない」という方のために「トレーニー採用講座」を用意しました。この講座を受けた方であれば、実務経験がなくてもエントリーできます。
 講座では、動画視聴や課題提出、ライブセッションを通じて、必要なスキルを身につけていただきます。ご自身のペースで進めていただけますが、一定のスピード感で課題をクリアできるかどうかも一つの指標です。

――講師としてデビューした後も、フォローアップ体制はありますか?

 はい。基本的に⽇々のやり取りはメールで完結するのですが、フォローアップのための⾯談や、レッスンの様子を録画してもらいフィードバックを行ったりしています。
 また当スクールの主任講師は、プロ日本語教師養成講座の講師経験があるので、その知見を活かして先生方のスキルアップをサポートする体制を整えています。オンラインでもオフライン以上の質を追求していますので、成⻑意欲のある⽅にとっては、⾮常に良い環境だと思います。

学習者とともに講師も成長できる

――採用のプロセスについて教えてください。

 書類選考の後、1次面接、2次面接というステップになります。教え方を確認させていただくような設問も用意しています。

――どのような先生を求めているのでしょうか。

 まず大前提として、私たちはマンツーマンレッスンを提供しているので、相手のことを考えずに一方的に話し続けたり、教科書をただ読み上げるだけのようなレッスンをする方は合いません。
 さきほど申し上げたように、当スクールの受講者はビジネスパーソンが多く、「この先⽣の説明は分かりやすいか」「教科書以上のことを教えてくれるか」を敏感に感じ取ります。そのため、やはり指導力が高く、分かりやすい説明ができる先生、そして何より「レッスンが楽しい」と感じさせてくれる先生が人気ですね。

――技術だけでなく、コミュニケーション能力も重要ということですね。

 その通りです。そしてもう一つ、欠かせないのが「成長意欲」です。私たちのスクールは、よくある“登録だけして自由に活動するランゲージエクスチェンジのプラットフォーム”とは異なります。クライアント企業の研修を責任もって担うという共通の目的のもと、全員が同じ方向を向いて運営しています。
 そのため、講師自身に成長する気持ちがないと、高い意欲を持つ学習者の期待に応えることはできません。ご自身の指導スキルを常に向上させていこうという思いのある方と、ぜひ一緒にお仕事がしたいですね。

――最後に、応募を検討している方々へメッセージをお願いします。

 創業から20年。世の中にまだニーズがないところから始めましたから、何が正解か常に手探りでした。それでも存続できたのは、向上心の高い先生方に恵まれたおかげだと思います。実際にユーザーアンケートでも、「先生たちが教え上手」「講師が良い」という評価を本当に多くいただいています。なかには「予約が入りすぎて困る」という先生もいるのですが、JOSの先生には、そんな嬉しい悲鳴を味わってもらいたいと思っています。
 いろいろな学校がありますが、私たちは、学習者(クライアント)・講師・学校のすべてが健康的に成長していくことを目指しています。学習者の成長はもちろん、講師の成長も実現できる場でありたいと考えています。そして、学校の運営レベルも常に向上させる努力を続けていきます。何か不安な点がありましたらご遠慮なくお問い合わせください。包み隠さずオープンに運営していますので、その点はご安心ください。
 私たちの理念に共感し、共に成長していきたいと思っていただけたなら、ぜひエントリーをお待ちしています。

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著者情報

日本語教師ジョブ株式会社は、日本語教育業界に特化した人材紹介・求人サービスを提供する会社です。
求人サイト「日本語教師ジョブ」の運営を中心に、専任・非常勤・海外勤務まで幅広くサポート。
求職者へのキャリア相談や学校とのマッチングに強みがあります。

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