千駄ヶ谷日本語学校:国内屈指の大規模校だからこそ実現できる多様なキャリアパス

全国にある日本語学校の中でも、数少ない「認定日本語教育機関(認定校)」として確かな信頼を築いている千駄ヶ谷日本語学校。学生数約1400名を抱える国内最大級の規模と、教師養成講座を併設する独自の強みを持つ同校は、これから日本語教師を目指す方や、さらなるステップアップを望む方にとってどのような場所なのでしょうか。同校で20年以上のキャリアを歩み、日本語教育部長を務める勝間田恵美先生に詳しいお話を伺いました。

取材した方のプロフィール

千駄ヶ谷日本語学校 
日本語教育部長 勝間田恵美先生

大学時代、英語を学ぶ中で「言葉で心が通じる楽しさ」を知り、日本語教師の道へ。養成講座を経て千駄ヶ谷日本語学校に入職後、JICA海外協力隊としてコスタリカでも教鞭を執る。通算20年の豊富な経験を活かし、現場のチームティーチングを支えながら、質の高い授業づくりと後進の育成に尽力している。

目次

 圧倒的な規模と「教えるプロ」を育てる環境

――まず、千駄ヶ谷日本語教育グループの特色について教えてください。

勝間田先生: 一つは規模が大きいということ、そしてもう一つは、日本語教員養成講座を併設している点でしょうか。現在、学生数は約1400名にのぼり、教師も常勤・非常勤合わせて約160名が在籍しています。この規模感があるからこそ、学内だけで頻繁に勉強会や検討会を実施でき、外部へ行かずとも常に最新の教育手法や事例を共有できる環境があります。また、養成講座との連携が非常に密であるため、常に教育の質をブラッシュアップし続ける文化が根付いています。

――学生さんはどのような方が多いのでしょうか?

勝間田先生: 全体の約65%が中国、20%がベトナム、残りの15%が東南アジアを中心に世界30か国以上の国々から集まっています。初級のクラスは非常に多国籍で賑やかです。最終的には約8割が大学や大学院への進学を目指しており、学生たちの学習意欲は非常に高いです。

――――現在、日本語教員を募集しているそうですが、採用面接や模擬授業では、どのような点を重視されていますか。

勝間田先生:模擬授業では、まずはきちんと基本に沿って授業を組み立てられるかどうか。そして独りよがりにならずに学習者とのやり取りを持って進められるかどうか。この2点を重点的に見ます。
未経験の方ですと、最初は緊張して思い通りにできない方がほとんどだと思いますが、たとえ完璧に振る舞えなくても、ちゃんとコミュニケーションを取ろうとする姿勢があれば大丈夫です。基本的な構成や流れをしっかり学んできていただければ、細かいテクニックは後から現場でいくらでも身につけていただけますから。
目の前の学生を主役として捉え、彼らの反応を引き出しながら一緒に授業を作っていこうとする姿勢がある方がいいですね。

――ICTスキルはどれぐらい求められますか?

勝間田先生:高度なスキルは求めません。Google DriveやExcelなどの初歩的な操作ができれば大丈夫です。教材を作成するのにPowerPointを使えると便利ですが、過去に先生方が作成したファイルのストックを使ってもいいですし、プリントとホワイトボードだけで授業をすることもありますし、そこは先生にお任せしています。

――日本語教師未経験の方も採用していますか?

勝間田先生:養成講座を併設していることもあって、養成講座を卒業して初めて教壇に立つのが千駄ヶ谷日本語学校であるという先生方は非常に多いです。むしろ経験者の方が割合としては少ないぐらいです。もちろん経験者の方も大歓迎ですし、即戦力として活躍していただきますが、当校では未経験の方が入ってくるという前提でサポート体制を組んでいます。

――サポート体制について詳しく教えてください。

勝間田先生:未経験の方にはまず入職後に研修を受けていただきます。座学のほか、教案チェックや先輩講師の授業見学、ご自身の授業のフィードバックなど、養成講座で学んだことと実際の現場との橋渡しとなるような内容です。また常勤・非常勤問わず、新任の先生一人に対し、経験豊富な専任教員がメンターとして一人つき、最初の6か月間、サポートするシステムもあります。教案の書き方やクラス運営の悩みから事務的な手続きまで、誰に聞けばいいか迷うような些細なことでも相談できます。

――職員室はどのような雰囲気ですか?

勝間田先生: 活気があり、コミュニケーションが盛んです。同じレベルを担当する先生同士で近くに座っているため、「この例文はどう?」といった授業の相談や情報共有が、あちこちで自然に行われています。決して騒がしすぎるわけではなく、困ったことがあればすぐに周囲に相談できる、非常に風通しの良い雰囲気だと思います。20代の新卒から60代の大ベテランまで幅広く在籍していますが、年齢や立場に関係なく、より良い授業のためにみんなで知恵を出し合っています。

――ワークライフバランスの面ではいかがでしょうか。

勝間田先生: 規模が大きい分、多様な働き方を許容できる体力があります。特に非常勤講師の方は、ご自身のライフスタイルに合わせて「週2日、午前中だけ」といった柔軟なシフト調整が可能です。女性が多い職場ですので、子育てや介護への理解も深く、育休・産休や介護休暇を取得しながらキャリアを継続している先生もたくさんいます。

目標に合わせて選べる、二つのキャリアパス

――貴校では、どのようなキャリアパスが可能ですか。

勝間田先生: まずは、授業をしっかりとこなせるようになることが第一ステップです。その後、専任講師の方には初級・中級といったレベルごとに複数のクラスをまとめるレベルリーダーをお任せします。リーダーとして経験を積んだ後は、学校行事や教務運営を牽引する役割、講師の育成を担う研修担当チームへの参画など、活躍の場を広げていただきます。さらにその先には、校舎やグループをまとめる主任、全体を統括する教務主任、日本語教育部門を統括する部長という明確なステップが用意されています。
キャリアの方向性は、大きく分けて二つあります。一つはリーダーから主任へと進み、組織運営に力を発揮するマネジメントの道です。もう一つは教える技術を極め、新しい指導法を導入したり、勉強会を企画したりと、技術面で貢献するスペシャリストの道です。ご自身の適性や希望に合わせて、日本語教師としてのキャリアを積んでいただけます。

――勝間田先生は、この仕事のどんなところにやりがいを感じますか。

勝間田先生: やりがいは、一言で言えば「飽きない」ところですね。同じ教材を使っても、目の前の学習者が変わればそこでの対話や反応も変わります。自分のアイデア一つで学生たちが「分かった!」「楽しい」とポジティブな反応を返してくれると本当にうれしいものです。多国籍なので反応も本当に学生によって様々で。予想外の反応や発言に爆笑が沸き起こるようなことも毎日のようにありますし、教室の中は世界の縮図みたいで本当に面白いです。もちろん、ポジティブな反応を得られず落ち込むこともありますが、それを学生のせいにせず「じゃあ次はどうしようか」と前向きに考えられる人にとって、これほど刺激的で楽しい仕事はないと思います。

私は20年以上この仕事をしていていますが、「大変だな」と思うことはあっても、「辞めたい」と思ったことは一度もないですね。

――先生方のアイデアを柔軟に反映できる環境なのですね。

勝間田先生:そうですね。もちろん学校の方針として「いつまでに、何ができるようになるか」という到達目標と、それを毎回の授業でどう積み上げるか、というシラバスは決まっていますが、1回1回の授業をどのように行うかは先生方にお任せしています。先生方が、ご自分のバックグラウンドやキャラクターを生かしてそれぞれ工夫したことをみんなでシェアして、もっと良い授業にしようと高め合える環境を目指しています。

――最後に、応募を検討している方へメッセージをお願いします。

勝間田先生: 当校では、先生方が教える技術を磨くためのサポートに力を入れているので、「日本語教師として成長したい」「こんな教師になりたい」という前向きな志をお持ちの方に、ぜひ来ていただきたいと思います。
よく「どんな人物像を求めていますか?」と聞かれますが、当校には本当に多様な学習者が集まるので、先生方も特定のタイプではなく、さまざまなバックグラウンドや思いを持った方がいいですね。
ただ、日々の授業はチームティーチングで進めていくため、周囲と協力し合う姿勢やコミュニケーション能力は欠かせません。仲間と連携しながら物事を作り上げていくことを楽しめるような方と一緒に働けることを楽しみにしています。

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