横浜市でも有数の大規模校、飛鳥学院。1986年の創立以来、約40年にわたり数多くの留学生の夢を支えてきました。横浜駅に近い京浜急行線日出町駅から徒歩30秒と、アクセスの良さも魅力です。職員室の雰囲気も明るく、若手から30年以上のベテランまで総勢80名で日々協力し合い、より良い学校づくりのためのアイデアを出し合っているといいます。教員の9割以上が未経験からのスタートなので、サポート体制も充実。同校の働き方や求める教員像について、教務主任の塩沢先生に詳しいお話を伺いました。

飛鳥学院
教務主任 塩沢先生
大学時代に教職免許を取得。会社員として勤務した後、2009年より飛鳥学院にて非常勤講師としてキャリアをスタート。その後、常勤講師を経て、2018年より教務主任を務める。
大規模校でありながら、一人ひとりの学生に声かけを欠かさない温かさ
――飛鳥学院はどんな学校ですか。
来年で創立40周年を迎える、歴史ある日本語学校です。横浜の中心地域にあり中華街も徒歩圏内、東京に比べて家賃や物価も安く、治安も良いので、安心して勉強できます。学生数はおよそ600名。ネパールや中国、ベトナムを中心に11カ国の学生が在籍しています。ほとんどの学生は近くの寮に住み、自転車で通学してます。毎朝、当校代表と校長が駐輪場に立ち、登校した学生1人ひとりに声をかけています。教職員は約80名で、学生たちの親代わりとして親身にサポートしています。
学生たちは、日本語で楽しそうにコミュニケーションを取っています。どのクラスも仲が良く、来日するとすぐに打ち解けて一緒にご飯を食べに行ったり観光地に出かけたりしているようです。今年も海に行ったり、花火を見に行ったりしている様子でした。
――学生さんたちはどんな目的で日本語を学んでいますか。
9割以上が日本での進学を目指しています。大学よりも専門学校への進学が多く、自動車やITの分野は特に人気があります。観光や介護も多いですね。2年生になると進学指導があるので、教員総出で出願手続きの準備や願書の添削、面接の練習などにあたります。
――日本語の授業以外にどんなイベントがありますか。
校外学習として、1年生は遠足で八景島シーパラダイスへ、2年生になると貸切バスで箱根へ行きます。
「日本事情」という授業では、学生たちが書道、茶道、柔道などの日本文化を体験する機会を設けています。柔道の授業ではオリンピックを目指していた選手を講師としてお招きし、畳を教室に持ち込んで、受け身や基本的な技を教えていただきました。学生たちも柔道着を着て、真剣に取り組んでいました。書道では、学生一人ひとりが筆を持ち、それぞれ作品を仕上げます。作品は卒業まで教室に掲示します。茶道も、お茶碗とお抹茶、お菓子を用意して、教室で本格的なお点前を体験します。今年度は、畳の上でより本格的な茶道を体験してもらおうと計画中です。他にも浴衣の着付け体験や、けん玉、百人一首など、様々な日本文化に触れる機会を用意しています。

――文化体験の授業では、日本語教師にも専門的な知識が求められるのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。柔道のように専門家をお呼びすることもありますし、私は茶道を担当しましたが、事前に動画を見て勉強したくらいです。大切なのは、完璧な知識よりも、学生たちに日本の文化を知ってほしい、楽しんでほしいという気持ちです。もちろん、日本人として恥ずかしくない程度の教養は必要ですが、先生方も学生と一緒に学び、楽しむ姿勢で臨んでいます。
フリーアドレスで、明るく風通しの良い職員室
――日本語教師を募集中とのことですが、どんな先生を求めていますか。
責任感や学び続ける資質、変化に対応しうる柔軟性や協調性があるかどうかを重視します。もちろん一度の面接でそれを見極めるのは難しいので、「この人は将来こういう先生になるだろうな」「こういうところが伸びそうだな」というような可能性を感じられる方を採用させていただいています。現時点の能力よりも人柄を重視するということです。優しくて楽しい先生は生徒に人気がありますが、それだけではなく強い信念を持っている方がいいですね。実際、当校には厳しい先生もいます。学生に毅然とした態度で向き合うことができるのも優しさですからね。
――模擬授業では、どんなポイントに注目していますか?
私も経験したのでよく分かりますが、最初から思い通りに授業できる人なんていないですから、完璧は求めません。大事なのは、学生の反応をしっかり見て、理解していない学生がいれば立ち止まって説明を加えたり、前に戻ったりできるかという点です。一方的に自分のペースで進めてしまうのではなく、学生一人ひとりと向き合えるかどうかを見ています。
――日本語教師未経験でも応募できますか?
経験は問いません。当校の教員の9割が未経験からのスタートです。実は、当校では常勤講師の直接募集は基本的に行っていないんです。まず非常勤講師として入っていただき、飛鳥学院の教育方針や校風を理解した上で「ここで常勤として働きたい」と思っていただけた方に、常勤講師への道が開かれるという形を取っています。お互いのミスマッチを防ぐための大切なプロセスだと考えています。
―― 未経験の先生へのサポート体制はどのようになっていますか?
「勉強会」として個別の研修を行っています。教材の構成や授業の進め方、文法の説明や練習方法など、基本的なことから丁寧に指導します。一方的な講義ではなく、新任の先生ご自身が「どうすればもっと良くなるか」を考え、工夫できるような内容になっています。
当校は学生のレベル別に初級・中級・上級の3つのクラスに分かれており、新任の先生には初級クラスから入っていただきます。教壇に立ってからも、私や副主任が授業を見学し、フィードバックを行います。一人で悩ませることはありません。
勉強会は週に何回か曜日を決めて開催し、初級クラスが終わるまで続きますが、希望すれば中級クラスに進んでも参加できますし、2年、3年と継続して参加する先生もいます。
―ー職員室の雰囲気はいかがですか?
教員同士の人間関係、全体の風通しは非常に良いと思います。当校教員の平均勤続年数は約13年。この道30年という大ベテランから、中堅、新任の先生まで揃っていて、非常にバランスが取れていると思います。職員室では「学生からこんな質問をされたんだけど、先生ならどう答える?」というような会話がずっと飛び交っています。職員室の席はフリーアドレスなので、毎日違う先生の隣に座ることになります。疑問に思ったことはすぐに隣の先生に相談できますし、困ったことがあればみんなで知恵を出し合って解決していく文化が根付いています。
クラス運営や指導方法で不安なことがあれば、各レベルの担当をしている専任講師にすぐに相談できます。些細なことでも学校全体で共有し、みんなで対応するので心強いと思います。
―ー働き方の柔軟性についてはいかがでしょうか?
非常勤の先生には週3コマ以上をお願いしていますが、子育てや介護など、それぞれの事情に合わせて柔軟な働き方が可能です。「今は週に2コマしか入れませんが、落ち着いたら増やせます」といった相談にも応じています。

「自分の手で学校を作り上げたい」という方はぜひご応募を
―ー最後に、日本語教師を目指す方へメッセージをお願いします。
当校は歴史と伝統がありながらも、DX化など新しいことを積極的に取り入れようとしています。現在、認定日本語教育機関に向けた新しいカリキュラム作りにも取り組んでいるところです。ですから、与えられた仕事をこなすだけではなく、一緒に学校を作っていく気持ちを持った先生に来ていただきたいと思います。
風通しが良く、前向きな先生方が多い職場です。ぜひ、仲間に加わっていただけたら嬉しいです。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。


