世界中の若者たちが日本語を学ぶ活気に満ちた学び舎、大阪YMCA学院。38カ国もの多様な国・地域から学生が集まるというグローバルな環境、未経験者でも安心してキャリアをスタートできる手厚い研修制度、そして「大阪らしい」賑やかで温かな雰囲気の職員室。他にも同校の魅力について、教務主任の惟任将彦先生にたっぷりお話を伺いました。
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大阪YMCA学院
教務主任 惟任将彦先生
大学卒業後、一般企業で働きながら日本語教師養成講座を修了し、ネパールで日本語教師としてのキャリアをスタート。帰国後、大阪YMCA学院非常勤講師として勤務。8年目に専任講師となり、名古屋YMCA日本語学院の立ち上げにもかかわる。2021年に大阪に戻り、教務主任を務める。
多国籍・多文化環境が学生と教師を育てる
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――まず、貴校の特色について教えていただけますか?
一番の特色は、非常に多国籍・多文化な環境であることです。現在、当校には世界38の国と地域から来た481名の学生が在籍しています。学生の出身地は、台湾、中国、ベトナム、香港、韓国といったアジア圏はもちろん、フランス、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、スウェーデンといった欧米圏、さらには南米のブラジルやペルー、アフリカのナイジェリア、中央アジアのタジキスタンなど、本当に様々です。クラスのほぼ全員の出身国・地域が異なるようなこともありました。全体的に活気があり、クラスやコースの垣根を越えて交流する姿が日常的に見られます。見ているだけでも非常に面白く、私たち教員も日々、多くの刺激を受けています。
――採用活動についておたずねします。面接や模擬授業ではどんなことを重視していますか?
日本語教育に対する熱意、当校で働きたいという強い意志が感じられる方に来ていただきたいですね。模擬授業ではその方の思いや授業への向き合い方を見るようにしています。経験の浅い方や未経験の方は進行がスムーズにいかないこともあると思うのですが、そつなくこなせるかどうかよりも、学習者との接し方やコミュニケーションの取り方が大事です。多少ぎこちなくても、誠実さや人柄が伝わってくるような方がいいですね。「自分が生徒だったら、1日に3コマとか4コマの時間をこの先生と一緒に過ごしたいかな」という観点で見ています。
――逆に「こういうところがあるとちょっと難しいかな」というポイントがあれば教えてください。
たとえば、手元の教案に気を取られるあまりずっと下を向いたまま授業を進めてしまうような方はちょっとマイナスです。それでは学生とアイコンタクトも取れず、コミュニケーションもスムーズにいかないですからね。それに、そういった姿勢ひとつに求職者の方の“本気度”が表れると思うので。きちんと教案を準備して、頭の中に段取りや流れをきちんと入れた上で模擬授業に臨むのか、それとも紙に書いて終わりで、本番でそれを見ながら臨むのか。この日のためにどれだけ準備をしてきたかを、見せていただきます。
――未経験者へのサポート体制について教えてください。
当校は教員研修に非常に力を入れており、経験のない方でも安心してキャリアをスタートできる体制を整えています。まず、新任の先生にはメンター制度を導入しています。経験豊富な教員がメンターとして半年間にわたってマンツーマンで伴走します。教案の作成指導から授業見学、日々の授業の振り返りまで、きめ細かくサポートしますので、着実に指導力を身につけることができます。
他にも、年1回の実践報告会で他の先生の取り組みを学んだり、外部の専門家を招いて最新の知見に触れる講習会を開催したりと、継続的に学べる機会を豊富に用意しています。先生方が個人的に受講したい研修の費用を一部補助する外部研修受講補助制度もありますし、大阪YMCA日本語教育センターが主催する「日本語教師のためのじっくり学ぶ講座」(オンライン)も格安で受講できます。
――スキルアップへの意欲を学校全体でバックアップする風土があるんですね。
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とにかく賑やか!大阪らしい温かさと活気に満ちた職場
――職員室の雰囲気はいかがですか?
すごく賑やかですよ(笑)。最初は少し驚かれるかもしれません。大阪という土地柄もあると思いますが、日頃から教員同士で活発に意見交換していて、非常に明るく活気のある雰囲気です。
常勤と非常勤の先生の間に垣根はなく、新任の先生や若い先生でも気兼ねなくベテランの先生に相談できます。長く勤めている非常勤の先生も多く、そういう先生が率先して新しい先生に声をかけ、場を和ませてくれるんです。チーム全体で新しい先生を育てていこうという意識が非常に強い職場だと思います。
――働き方についてもお聞かせください。非常勤から常勤への道もあるのでしょうか。
非常勤の先生方は非常に柔軟な働き方ができるため、子育てやご家族の介護など、それぞれのライフスタイルに合わせて出勤日数や時間帯を相談しながら決めています。
もちろん、非常勤から常勤への登用制度もあります。タイミングにもよりますが、希望される方には採用試験を経て、常勤教員として活躍していただく道が開かれています。私も非常勤からキャリアをスタートしました。新卒の方の採用実績もありますので、経験を問わず門戸は開かれています。
――この仕事のやりがいを教えてください。
やりがいは、やはり学生の成長に深くかかわれることだと思います。先日も、数年前に卒業した男子学生が「就職が決まりました!」と、学校に顔を見せに来てくれました。在学中は決して優等生ではなかった彼が、地道な努力で夢を叶えた姿を見て、胸が熱くなりました。留学生たちが日本語学校で過ごす1~2年間は、彼らの人生における「青春の1ページ」とも言える、非常に密度の濃い時間です。そのかけがえのない時間にかかわらせてもらえること、そして彼らの成長を間近で見守れることは、最大の喜びです。
――では、大変なことは何ですか?
やはり人と人との仕事なので、誤解が生じたり、コミュニケーションがうまくいかなかったりすることです。多様な文化背景を持つ学生たちが集まっているので、すれ違いが起こることもありますが、そんな経験を積み重ねていく中で、教師である私たちも様々な気づきがありますし、自分自身が内面から広げられていくような感覚があるんです。自分自身の変化や成長を実感できるという意味では、この大変さもやりがいの一つかもしれませんね。
あとは、経済的な面でしょうか。私も、特に非常勤としてキャリアをスタートした頃は決して楽ではありませんでした。この業界は、そういった厳しい側面があることも事実です。当校では、先生方に安心して長くお勤めいただくためにも、待遇改善に真剣に取り組んでいます。
海外への好奇心から飛び込んだ日本語教育業界
――ちなみに、惟任先生はなぜ日本語教師を目指したのですか?
大学時代は日本語教育を専攻していたわけではなく、こういう仕事があることすら知りませんでした。卒業後は一般企業に就職しましたが「海外に住んでみたい、海外で働いてみたい」と思うようになり、本屋で手に取った海外生活のムック本で初めて日本語教師の仕事を知りました。
「日本語なら自分にも教えられるかもしれない」という、今思えば少し安易な気持ちで養成講座に通い始めました。その後、ご縁があってネパールで2年間日本語を教える機会をいただき、そこでの経験が私の日本語教師としての原点になっています。帰国後、大阪YMCA学院で働き始め、気づけば24年目になりました。軽い気持ちで飛び込んだ日本語教育業界でしたが、多くの学生や同僚に支えられて、ここまで続けることができました。
――最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。
これから日本語教師を目指す方、新しい環境でチャレンジしたいと考えている方は、ぜひ一度、当校の扉を叩いてみてください。日々、いろんな発見や気づきのある刺激的な環境で成長することができます。先輩教員たちは賑やかでパワフルですが、みんな親切です。皆様のご応募をお待ちしています。
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