非常勤講師は、求人選びで何を重要視しているのか――この問いに答えるべく、日本語教師ジョブでは2024年10月3日〜10日まで、会員を対象にアンケートを行い、251人から回答を得られました。

今回はその結果をもとに、非常勤講師の求人をお探しの方が求人で重視するポイントについて掘り下げてみます。

1. 近い勤務先を選ぶのは当然のこと

非常勤講師は、勤務時間が限られており、いくつかの学校を掛け持ちするケースも珍しくありません。そのため、「勤務地が近いこと」を重視するのは当然です。アンケート結果でも、最も重要視されているのは「勤務地」であり、80%の回答者がこれを重視していると答えました。特にパートタイムで働く非常勤講師にとって、通勤時間が少ないことは時間や体力の節約に直結します。つまり、学校がどんなに良い条件を提示しても、通勤が大変だと優先順位は下がってしまうのです。求人票には、具体的なアクセス方法や最寄り駅からの距離などを明記することで、応募者に好印象を与えることができるでしょう。

では、郊外や交通アクセスが悪い学校はどうすれば良いのでしょうか？

郊外やアクセスのよくない地域でも、満員電車のストレスを避けられる逆方向の通勤は大きなメリットです。快適な通勤が可能な点を強調することで、デメリットを和らげる効果があります。また、通勤手当や交通費の支給を明示することで、経済的負担が軽減されることを伝えることも大切です。さらに、固定シフトや安定したスケジュールが提供されることは、遠方から通勤する講師にとって魅力的な要素となります。

こうした工夫を通じて、郊外に位置する学校や交通アクセスの不便な学校でも、通勤環境をプラスに捉えたアピールが可能です。

2. 給与と働き方のバランスがカギ

給与は日本語教師にとって重要な要素ですが、単に授業給が高いだけでは十分ではありません。特に日本語教師の場合、授業以外の業務――例えば宿題の添削、授業準備、採点など――がどれだけ発生するかによって、実際の労働時間や負担が大きく変わります。ここで問題となるのは、授業外の業務に対して適切に給与が支払われているかどうかです。

過去に教育業界で問題となったケースでは、授業そのものに対する「コマ給」が支払われていても、授業前後の準備や宿題の添削、採点などの業務が含まれているかどうかが不明確だったことがありました。結果として、これらの業務に対する適切な賃金が支払われていないことが発覚し、違法性が指摘されました。労働法では、業務に費やしたすべての時間に対して賃金を支払うことが求められています。授業外の業務時間に対して給与が支払われない場合、労働者にとって不当な負担が生じることになります。

日本語学校においても、授業外の業務にどれだけの時間が割かれ、その業務に対してきちんと給与が支払われるかは、教師にとって非常に大きな関心事です。たとえ授業給が高くても、授業外の業務が多く、その時間が無給であるなら、実質的な時給は大幅に低くなってしまいます。アンケートの結果でも、「授業時間外の拘束がどれだけあるか」を気にする教師が多いことが確認されています。

学校側は、授業時間外に発生する業務の内容とその時間を明確にし、その時間が給与に含まれているかをしっかりと伝えることが重要です。透明性のある情報提供を行うことで、教師に安心感を与え、より信頼される学校としてのイメージを築くことができます。

3. 職場の雰囲気は見えにくいが、非常に重要

「職場の雰囲気」という言葉は抽象的ですが、多くの日本語教師にとって非常に重要な要素です。アンケートでも、56%の回答者が「職場の雰囲気」を重視していると答えており、実際にどんな環境で働けるのかが、求人選びの決め手になることが多いのです。しかし、残念ながら求人票でこの情報を十分に伝えられている学校は少ないのが現状です。職場の雰囲気をアピールするには、教員やスタッフのメッセージを掲載したり、働いている様子を写真やビデオで見せることが効果的です。また、学校内のコミュニケーションやサポート体制についても具体的に伝えることで、応募者により親近感を持たせることができます。

4.「その他」の詳細

・学校の教育理念
・理想を追っているかどうか
・日本教師の資格の有無
・未経験者でも歓迎か？
・交通費支給
・オンライン授業があること。土曜日、日曜日もあること。
・オンライン可
・オンライン授業可否
・勤務地の最寄駅からの距離
・校長や教務主任がまともかどうか
・授業準備への配慮

回答者が各項目を選んだ理由はこちらからご覧になれます。

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アンケート結果から、日本語教師が求人を選ぶ際に何を重視すべきかが明らかになりました。勤務地、給与、職場の雰囲気など、さまざまな要素が働く環境に大きな影響を与えることがわかります。では、これらを踏まえて、どうやって自分に最適な職場を見つけるべきでしょうか？

まず、自分が譲れない条件を明確にすることが重要です。通勤時間を短くしたいのか、授業以外の業務の負担を軽くしたいのか、あるいは職場の人間関係やサポート体制が整っていることが重要なのか。自分の優先順位をはっきりさせることで、求人選びの際に迷わなくなります。また、求人票に書かれている情報が不十分であれば、積極的に学校に問い合わせをして確認することも一つの手です。

次に、求人サイトや転職サポートサービスをフル活用することがポイントです。これらのツールは、求人の比較や検討をスムーズに行うために設計されています。転職サポートサービスを利用する場合は、自分の希望をしっかり伝え、サポートを有効に活用することが大切です。

最終的に、自分にとって働きやすい職場を見つけるためには、妥協するポイントと譲れないポイントを見極めることがカギとなります。自分のキャリアにとって最適な環境を選ぶために、しっかりとした情報収集と検討を行い、納得のいく職場を見つけましょう。

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