≪2025年3月≫非常勤日本語教師の給料は上がっているのか?全国・地域別の最新データを解析

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≪2025年3月≫非常勤日本語教師の給料は上がっているのか?全国・地域別の最新データを解析

認定日本語教育機関制度、日本語教師の国家資格化により、日本語教師・日本語教育への注目度は高まっていますが、その裏でどれだけ非常勤日本語教師が評価され、報酬を受け取っているのかはあまり知られていません。今回、全国と主要地域別に非常勤日本語教師の求人における給料の最低提示額を調査しました。

<調査方法>

・求人検索エンジンから告示校の日本語学校の2023年8月29日〜2025年3月11日までに掲載された求人を抽出
・求人内の勤務開始時最低提示額から計算
・時給表示の場合は1コマあたりに換算
・90分1コマの給料が提示されている場合は、45分に換算
・1コマの時間が45分や50分等の場合がありますが、それは考慮していません

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全国平均の現状

全国平均の現状
・全国の非常勤日本語教師の求人における最低提示額平均

2023年8月 :1,851円
2024年3月 :1,881円
2024年7月 :1,897円
2025年3月 :1,918円

日本語学校の非常勤講師の給料は、23年8月と比べると、3.6%上昇していますが、HROGによる2025年2月の全国のアルバイト、パート時給の前年比伸び率は5.2%(1206円→1269円)だそうです。



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日本語教師の給与と働き方の現状

非常勤日本語教師の給与上昇率(約3.6%)は、他業界のアルバイト平均賃金の伸び(前年同月比5.2%)よりも低い水準です。

全国平均の給与自体は他業種より高め(2025年2月時点で全国平均時給1,269円 に対し日本語教師は約1,900円)ですが、その伸び率が低いため、相対的な待遇改善の遅れが懸念されます。物価上昇や生活費の高騰を考えると、このペースでは実質的な魅力向上に繋がりにくい可能性があります。

賃金の伸びが緩やかであることは、人材確保の難しさに直結します。日本語学校の非常勤講師は慢性的な人手不足と言われ 、各校が採用競争を繰り広げていますが、他業界より伸び悩む給与水準では優秀な人材を惹きつけにくく、現職講師の離職リスクも高まりかねません。

地域間で大幅な賃金差が見られず均一な上昇に留まっていることから、都市部の高い生活コストに対して十分な賃金上乗せがない可能性もあります。結果として、業界への注目度が高まっているにもかかわらず、その待遇面での魅力不足が将来的に日本語教師志望者の減少や他業種への流出に繋がるリスクがあります。

日本語教師採用市場の将来の展望ー変化する需要と求められるスキル

今後の日本語教師の採用市場は、資格制度の変化と市場ニーズの多様化によって二極化が進むと予想されます。

まず、国家資格化の影響についてですが、日本語教師が資格必須の職種となることで、一定の基準を満たした人材の供給は増えるでしょう。しかし、国家資格が「誰でも取得しやすい」ものであれば、資格取得自体が採用市場に大きな影響を与える可能性は低いです。むしろ、資格よりも実務経験やスキルが重視される傾向が強まると考えられます。そのため、求職者側としては、資格取得だけで満足せず、指導経験を積み、専門スキルを磨くことがキャリアアップの鍵になります。

次に、採用市場の変化として、以下のような動きが予想されます。

▪️企業向け日本語教育の拡大

外国人労働者の増加に伴い、企業研修や特定技能外国人向けの日本語教育が拡大しています。この分野では、従来の日本語学校とは異なるスキル(例:ビジネス日本語指導、専門用語の教育)が求められ、待遇も比較的良いケースが増えています。

▪️オンライン日本語教育の定着

オンライン授業の普及により、従来の学校に所属しないフリーランス教師の増加が見込まれます。特に海外市場向けの日本語教育では、日本国内の給与水準よりも高単価で契約できる可能性もあります。

▪️日本語学校の淘汰と再編

日本語教育機関の認定制度が厳格化されることで、経営が厳しくなる学校も出てくるでしょう。そのため、給与水準や雇用条件が改善される学校と、厳しい経営環境に置かれる学校の二極化が進むと考えられます。

日本語学校側の採用戦略と求職者の選択肢

日本語学校が優秀な人材を確保するためには、給与や待遇の見直しに加え、働きやすい環境作りが不可欠です。

特に、専任登用の拡充や研修制度の強化を行うことで、求職者にとって魅力的な職場を提供することが求められます。一方で、求職者側も、単に「給与が高い」だけでなく、キャリアの成長が見込める環境かどうかを重視することが重要です。

今後の採用市場は、単なる資格要件の充足ではなく、実務経験や専門スキルの有無がより重視される市場へと変化していく可能性が高いです。日本語学校側も求職者側も、こうした変化を見越した戦略を持つことが、今後の採用市場での成功につながるでしょう。