ChatGPTで授業準備を効率化!日本語教師向けプロンプト作成ガイド【具体例付き】

  1. 日本語教師ジョブトップ
  2. ブログ一覧
  3. ChatGPTで授業準備を効率化!日本語教師向けプロンプト作成ガイド【具体例付き】

ChatGPTで授業準備を効率化!日本語教師向けプロンプト作成ガイド【具体例付き】

はじめに

授業準備や教材作成には多くの時間がかかりますが、ChatGPTを上手に使えばその作業を大幅に効率化できます。プロンプト(ChatGPTに送る指示文)の工夫次第で、レッスンアイデアの提案から教材の下書き作成まで、さまざまなタスクをChatGPTに手伝ってもらうことができます。

ただし、効果を最大限に引き出すには「どんなふうに頼むか」が重要です。本記事では、日本語教師がChatGPTを活用するためのプロンプト作成のコツをステップ・バイ・ステップで解説し、すぐに使える具体的なプロンプト例も紹介します。教師経験が浅い方でも今日から活用できる内容です。

ChatGPTプロンプト作成の基本ステップ

ChatGPTプロンプト作成の基本ステップ
ChatGPTに望み通りの回答を出してもらうには、質問や指示の書き方にコツがあります。以下の7つのステップに沿ってプロンプトを作成してみましょう。

ステップ1:ChatGPTに教師の役割を与える


まずはChatGPTに、あなたの代わりに「日本語教師」になってもらいましょう。ChatGPTに特定の役割を与えることで、回答がその役割に沿った視点のものになります。例えば、ChatGPTに日本語教師の役割を与えると、教師目線でアドバイスやアイデアを出してくれるようになります。

例として、以下のように指示してみます。

あなたは日本で留学生に教える日本語教師であり、初級クラスの授業計画を立てています。

このように役割を伝えることで、ChatGPTは日本語教師になりきって回答してくれます。

ステップ2:目的(ゴール)を明確にする


次に、ChatGPTに何をしてほしいのかをはっきり伝えます。プロンプトに目的やゴールを明記することで、回答がこちらの意図に沿ったものになりやすくなります。「◯◯をしてください」「◯◯を提案してください」のように、具体的な依頼内容を書きましょう。 例えば、ひらがなを教えるクラスの活動アイデアが欲しい場合は次のように伝えます。

初級クラスの学生にひらがなを教えるための効果的なアクティビティを提案してください。

このように依頼内容を明確に示すことで、ChatGPTは求められたゴールに沿った回答を作成してくれます。

ステップ3:学生のレベルや特性を指定する


プロンプト内で学習者のレベルや特性も伝えましょう。学生が初級なのか中級なのか、子どもなのかビジネスパーソンなのかといった情報を含めることで、より対象に合った回答を引き出せます。たとえば学生の母語や学習目的も書き添えると、提案の内容が現実に即したものになります。



あなたはビジネスパーソンに教える日本語教師であり、中級クラスで敬語を教えています。学生は英語が母語です。

この例では、学習者が「英語が母語の中級レベルのビジネスパーソン」であることを伝えています。こうすることで、ChatGPTから得られるアイデアがその学習者像にマッチしたものになります。

ステップ4:回答の制約やスタイルを指定する


ChatGPTの回答内容に制約やスタイルを加えることで、欲しい情報をより絞り込むことができます。例えば「〜を◯個挙げてください」「〜分以内で終わるものにしてください」と条件を付ければ、回答がより具体的なニーズに沿ったものになります。提案してもらいたいアイデアの数や、活動の所要時間、形式など、必要に応じて条件を伝えてみましょう。



あなたは海外の大学で日本語を学ぶ学生に教える日本語教師です。中級向けの読解力強化のための活動を5つ提案してください。それぞれ30分以内に完了できる内容にしてください。

このプロンプトでは「5つ提案」「30分以内に完了できる」という条件を示しています。こんなふうに条件を加えると、ChatGPTは指定した範囲内でアイデアを出してくれるので、より現実的で使いやすい提案が得られます。

ステップ5:回答のフォーマット(形式)を指定する


ChatGPTから得た回答をそのまま教材に活かしやすくするために、回答のフォーマット(形式)を指定するのも有効です。欲しい回答が箇条書きなのか、表形式なのか、段落なのかをあらかじめ伝えておけば、情報が整理された形で出力されます。項目立てや番号付きリストなどで指定すると見やすい答えが得られるでしょう。

例:ロールプレイ活動の提案を項目立てで求める場合

企業研修で日本語を教える日本語教師です。以下の形式で上級向けビジネス日本語のロールプレイを提案してください。

・ロールプレイのシチュエーション
・必要な資料
・ロールプレイの進め方


この例では、答えを「1.〜 2.〜 3.〜」という箇条書き形式で出すようChatGPTに求めています。フォーマットを指定しておくことで、ChatGPTの回答は初めから整理された形になります。

ステップ6:期待する答えの具体例を示す


欲しい答えのイメージがある場合は、プロンプト内で具体的な例を一つ挙げてみましょう。例を示すことで、ChatGPTはこちらの意図をより正確に汲み取ってくれます。「例えば◯◯のような…」といった形でヒントを与えるイメージです。



子ども向けに初心者用のひらがな学習ゲームを提案してください。例えば、カードを使った神経衰弱(ペア合わせ)ゲームなど。

このように具体的な活動例を示しておくと、それに近いアイデアをChatGPTが提案しやすくなります。自分が思い描いているアイデアに近い例を一つ添えておくと良いでしょう。

ステップ7:授業の背景(コンテキスト)を伝える


最後に、授業の背景や状況もプロンプトに含めましょう。クラスの目的や時間配分、学習者の目的などのコンテキストを共有することで、ChatGPTの回答が現実の授業に適したものになります。授業の制約や前提条件(例:「週に◯回のクラスで…」「来月までに◯◯を習得する必要がある…」など)もあれば書き添えてください。

例:
あなたは日本語教師で、上級クラスの学生にビジネス日本語を教える準備をしています。学生は全員、来年日本企業でのインターンシップを控えています。授業時間は90分です。

このように授業の背景情報(学生の状況や授業時間など)を伝えることで、ChatGPTはより的確で現場に即した内容を考えてくれるでしょう。 以上のステップを組み合わせてプロンプトを作成することで、ChatGPTにかなり具体的な指示を与えることができます。では、これらのポイントを盛り込んだ実際のプロンプト例を見てみましょう。

授業準備にそのまま使えるプロンプト例

授業準備にそのまま使えるプロンプト例
ここでは、上記のステップを踏まえた具体的なプロンプト例を初級・中級・上級クラス向けに紹介します。必要に応じて自分の授業に合わせてアレンジし、そのままChatGPTに入力してみてください。

初級クラス向け:ひらがな練習ゲームのアイデア


子ども向け初級クラスでひらがなを教える場合のプロンプト例です。楽しく学べるひらがな練習ゲームのアイデアをChatGPTに提案してもらいましょう。

あなたは子供に教える日本語教師であり、初級クラスの学生にひらがなを教えています。学生は英語が母語です。以下の形式でひらがなの練習ゲームを1つ提案してください。

・ゲーム名
・必要な道具
・ゲームの進め方
(例:カードを使った記憶ゲームなど)
・中級クラス向け:敬語の学習アクティビティのアイデア


中級クラスで敬語を教える場合のプロンプト例


ビジネスシーンでも役立つ敬語の練習アクティビティをChatGPTに考えてもらいましょう。

あなたは日本で留学生に教える日本語教師であり、中級クラスの学生に敬語を教えています。学生は英語が母語です。以下の形式で敬語学習のアクティビティを提案してください。

・アクティビティ名
・必要な資料
・アクティビティの進め方
(例:ペアワークを用いたビジネスシミュレーションなど)
・上級クラス向け:ビジネス日本語ロールプレイのアイデア



上級クラスでビジネス日本語を教える場合のプロンプト例


実践的なロールプレイ活動のアイデアをChatGPTに提案してもらいましょう。

あなたは海外の日本企業で教える日本語教師であり、上級クラスの学生にビジネス日本語を教えています。学生は日本の企業への就職を目指しています。以下の形式でビジネス日本語のロールプレイを提案してください。

・ロールプレイのシチュエーション
・必要な資料
・ロールプレイの進め方
(例:面接練習や会議シミュレーションなど)

おわりに

ChatGPTを上手に活用できれば、日本語教師の授業準備や教材作成の強力なサポーターになってくれます。そのカギとなるのが、ここで紹介したプロンプト作成の工夫です。

「役割を伝える」「目的を明確にする」「学習者の特徴を指定する」「制約や形式を加える」「具体例や背景を示す」といったポイントを押さえるだけで、ChatGPTから得られる回答はぐっと実用的で具体的なものになります。

最後に、ChatGPTの回答はあくまで提案です。そのまま使う前に内容を確認し、自分のクラスに合うよう必要に応じて手直ししましょう。また、思ったような答えが出てこない場合でもプロンプトの書き方を少し変えて再度質問すれば、より満足のいく結果が得られることも多いです。ぜひ今回紹介したステップと例を参考に、日々の授業準備にChatGPTを取り入れてみてください。きっと作業時間の短縮につながり、空いた時間を他の教育活動に充てることができるようになるでしょう。

求人増加中!日本国内の日本語学校の新着求人は↓